「アグー」の歴史
アグーは、沖縄県の貴重な豚です。
今から約600年前に明(現在の中国)から導入され、
琉球の食文化を支えてきた島豚がアグーの起源です。
しかし、第二次世界大戦の影響でアグーは激減しました。
さらに、戦後、アメリカ等から大型で発育のはやい西洋品種が
大量に導入され、豚の改良が行われました。
そのため、小型で発育の遅いアグーの頭数は減り、
西洋品種との交配による雑種化も進みました。
絶滅したと思われていたアグーですが、名護博物館が1981年にアグーの全県的な調査を実施した結果、約30頭が確認されました。
そのうち18頭が県立北部農林高等学校に集められ、約10年かけて雑種化を取り除くための戻し交配が行われました。
さらに、遺伝子調査による選抜を行い、2011年に「沖縄アグー豚証明規程(旧:琉球在来豚アグー証明規定)」を設け、
戦前に近い形質を備えた豚を「沖縄アグー豚(旧:琉球在来豚アグー)」として定義しました。
その結果、戦前に近い形質を備えた「沖縄アグー豚」が誕生しました。
現在は、在来である島豚の復元と維持を目指し、「沖縄アグー豚」の更なる選抜を行っております。
「アグー」の体型及び特性
アグーのうち、アグーブランド推進協議会が定めた基準に合格したものが「沖縄アグー豚」として登録されます。
「交配により、拡がりをみせた沖縄アグー豚」
現在流通している「沖縄アグーブランド豚」は、
雄の「沖縄アグー豚」と雌の「沖縄アグー豚」や「西洋豚」を交配して生まれた豚です。
交配のパターンは農場毎に異なり、掛け合わせや育成方法の工夫によって
新たなブランド豚が誕生しています。
肉質はとても優れている沖縄アグー豚ですが、一般豚に比べて、体型が小さく肉量が少ない他、
生まれる子豚の数も少ないなど、生産が難しい豚でもあります。
生産者は独自の工夫により、沖縄アグー豚の優れた肉質を活かしつつ
肉量の多い豚を生産できるよう努力しています。